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薬剤師の独り言~花粉症~

花粉症の治療と対処法

春先の花粉症が気になる季節になりました。
花粉症の患者するは年々増加しており、世界の中でも我が国は花粉大国と言われています。まさに国民病とも言うべき花粉症を乗り切り、明るい春を迎えたいものですね。

花粉症の原因と症状は

花粉症は花粉によって鼻水・鼻づまりを中心に目のかゆみなどの症状がでるアレルギー疾患の総称です。
花粉を異物と認識して体の外へ出そうとする過剰な防御反応としておこります。原因の70%はスギ花粉です。

戦後復興政策のひとつとして、全国各地に植林されたスギが成長期を迎えた1960年代頃からスギ花粉が報告されるようになりました。この10年で花粉飛散量は2倍に増加し、2030年頃まで増え続けると予想されています。
温暖化などの自然環境や住宅や食事などのライフスタイルが変化し、都市部のアスファルト道路では土の地面で吸収されるはずの花粉が舞いやすくなっています。
また、文明の発達による環境変化により免疫機構が変化して発症しやすくなりました。

花粉症と風邪の違い

花粉症 かぜ症状
くしゃみの連発 くしゃみ連発しない
目や鼻のかゆみ せき、たん
目の充血 のどの痛み
発熱なし 発熱あり
鼻汁透明(シーズン中継続) 黄色っぽい鼻水(約1週間で軽減)

治療法は?

患者さんそれぞれの症状やライフスタイルに合わせて、抗ヒスタミン薬などの内服薬を中心に、点眼薬、点鼻薬が補助として使われています。症状に応じて薬剤を組み合わせて使用する事でQOL(生活の質)を低下させずに、花粉症飛散シーズンを過ごす事ができます。

特に花粉飛散シーズンに入る前から予防的に治療を始める事を「初期療法」といい、発症を遅らせたり症状を軽減させることができ、非常に有効です。早めに専門の先生に受診し、日常生活への影響をできるだけ少なくしてシーズンを乗り切りましょう。

抗ヒスタミン薬は個人差はありますが、眠気が強くでることがあるため、服用時には車の運転等十分な注意が必要でしょう。

なお、市販薬でも医療用医薬品と同じ成分の抗アレルギー薬が発売になりました。薬剤師にご相談ください。

セルフケアは?

セルフケアの基本は目と鼻に少しでも花粉が付着しないようにすること、体内に入れないようにすることです。
外出時は花粉が入らないよう眼鏡をかけ、マスクは顔に合った大きさで隙間がなるべく少ないものにしましょう。また、花粉がつきやすいウールの衣服は避けましょう。

飛散時は窓や戸を締め、洗濯物や寝具は可能な限り、外へ干さないようにしましょう。
また外出から帰ったら、衣類や髪を払い洗顔やうがいをしましょう。
なるべくコンタクトレンズの使用は避け、メガネを使用しましょう。

食事は?

バランスの良い食事や十分な睡眠は免疫機能を高めます。
普段から規則正しい生活を心がけ粘膜を傷つけるタバコや、鼻づまりを悪化させるお酒などの刺激物は控えた方がよいでしょう。

点眼薬で気をつける4つのポイント

  • ①点眼薬のボトルの先端が目やまつげに触れないように点眼しましょう。
  • ②2種類以上の点眼薬は5分以上間隔をあけて点眼しましょう。
  • ③開封後は1ヶ月間を目安に使用しましょう。
  • ④点眼後は直射日光を避けて涼し場所に保管しましょう。

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