災害時の対応

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災害時の薬剤師の仕事

大災害の時は多くの死者やけが人が出ます。
幸い無事に避難所にたどり着いたとしても、長い避難生活を余儀なくされることになるでしょう。
そこで病気にかかることも考えられますし、もともと病気の人は毎日のお薬が必要です。

しかし、命からがら逃げ出すときに、毎日飲んでいるお薬まで持ち出せるでしょうか。
当然、避難先では医療を行う体制を整えていますが、いつもの薬があるとは限りません。
運よく「お薬手帳」を持っていて、かつ、そのお薬がおいてあれば問題ないのですが、無い場合は同じ効き目、同じ作用の薬を医師が処方することになるでしょう。臨時の診療所には十分な薬がそろうとは限りません。

そこで薬剤師の知識が活用されるのです。
医師からの問い合わせに的確な薬剤を選ぶのは、薬剤師の仕事であり責任でもあります。

実は、普段皆さんが薬局で経験している処方せん調剤も同様で、医師と薬剤師の連携が重要であると考えています。

足立区薬剤師会 災害時緊急医療委員会

本委員会は薬剤師会会長を委員長として、副委員長1名と委員10名で構成しています。
災害時においては多くの医療職の関与が求められる様になり、薬剤師も医療提供の中で重要度が増してきたところです。
例として阪神大震災(1995年1月)・新潟中越地震(2004年10月)・東日本大震災(2011年3月)・熊本地震(2016年4月)・その他大雨による水害等が起こり、出動する事態が増加しました。

足立区においても足立区薬剤師会及び足立区危機管理部との災害時協定を締結しており、区役所との防災無線機も設置済みです。
また当区は地域特性として住宅密集地及び低地帯並びに中小河川が存在し、多くの被害予測が公表されました。
この様な背景・経験から薬剤師の災害時における活動が一定の方向に集束されてきた所です。

活動場所は現在
災害拠点病院 3ヶ所
災害連携病院 8ヶ所
救急指定医療機関 27ヶ所
緊急医療救護所 19ヶ所
その他避難所 123ヶ所(小・中学校他を含む)
の計180ヶ所が指定されております。

これらの場所に出動、医師会と協力し避難所・傷病者に対して調剤及び医薬品の供給を実施すると共に医薬品・医療資機材の確保、災害薬事センターにおける医薬品の流通確保・分配・整理を行います。
なお、災害時においては行政と医療従者の連携が必要となるのは明らかでそのために医療コーディネーター(医師)・薬事コーディネーター(薬剤師)が選出任命され、指揮・命令を発信する事により医療救護活動を円滑化する体制整備が求められました。

この活動の為に当該委員は日常より東京都が主催する薬局災害対策講習会・都薬剤師会主催の講習会や薬事コーディネーター養成講習に順次参加しているところです。
また、足立区総合防災訓練は平成25年度より拠点病院に集合し、薬事業務を病院薬剤師も含め、医師会・歯科医師会・柔道整復師会等、他の医療従事者とも連携して訓練を実施しております。

【 救護派遣実績 】
2004年11月 新潟県中越沖地震  4名
2011年 3月 東日本大震災※   5名
※宮城県気仙沼市・岩手県陸前高田市

副委員長 飯泉 千春